これは貴方に呪いをかけるための文章です。
呪われたくない方はこれ以上見るのをやめてくださいね。
……ああ、この先を読むのですか?
では呪わせていただきます。悪く思わないでくださいね。
さて、このあと貴方を呪うのですが、そもそも呪いとはなんでしょう?
大雑把に言えば、「何らかの儀式や呪詛の言葉を用いて対象に危害を加えること」といった感じの説明になるでしょうね。
例えば、藁人形に釘を打ったら対象が胸を押さえて苦しんだとか。
例えば、生贄を捧げて神さまに祈ったら対象が錯乱して失踪してしまったたか。
例えば、対象に悪意のある呪詛が書かれた文章を見せたら体調に異変が生じて眠れなくなったとか。
……そんなことが現実に可能でしょうか?
よくある説明では、「呪われてると対象が感じることでストレスがかかり、それが心身の不調に繋がる」と言われるでしょう。
そしてストレスによる緊張が普通に落ちてただけの物体を幽霊と錯覚させられるとか。
他にも呪いと関係のない不運な出来事を呪いのせいだと錯覚するとか。
錯覚で呪いがあるように錯覚してしまうのです。
人間は錯覚する生き物ですから。
人間に感情や心や意識なんてありません。
何らかの刺激を受けて脳内で化学物質が分泌された、ただそれだけのこと。
それだけのことを私たちは「感情」とか「心」とか「意識」だとか錯覚しているのです。
そんなことはないと思いましたか?
いや、貴方は思っていません。
ただ脳内で化学物質が分泌されただけのことを貴方は「そんなことはないと思った」と錯覚したのです。
ところで、その化学物質って……本当に分泌されたのでしょうか?
例えばこっそり誰かに注射されたのではありませんか?
「注射する誰か」なんて見てないから注射なんてされてない……ですか。
貴方は本当に見えるのですか?
目があるのですか?
本当は貴方は水槽に脳だけが浮かんでいて誰かから電気信号を送られてこの世界を錯覚させられていませんか?
そして錯覚させられた世界の中でこの文章を読んでいるつもりになっていませんか?
今私は
あなたの水槽に
手を突っ込んで
注射しまし
た
……さあ、気分はどうですか?
つまらなかった?腹が立つ?気分が悪い?不安になった?夜眠れなくなりそうだ?
それは良かったです。
これは貴方に呪いをかけるための文章ですので。




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