【症例】
①鶏肉(*1)を認識すると重度の胃痙攣を起こし、嘔吐を繰り返す。その後水分補給や点滴を行っても症状が改善されることはなく、約3時間程度で極度の脱水症状を発症する。詳しくは【症状緩和に関する報告】を参照。
②鶏肉を無理やり罹患者に摂取させると、消化器官が焼け爛れたような反応を見せる。(つまりは逆流性食道炎や胃潰瘍など、様々な合併症を引き起こし、症例①を促進する結果となる。)
③皮膚の水分が極端に減少し、乾燥する。「鶏の足の様だった。」 という聴取結果が存在する。
(*1…現代における「鶏肉」と名のつくもの全て。鳥の種類は問わず、全ての「鶏肉」において症状が確認されている。)
【発見報告】
20██年12月24日、アメリカ合衆国フロリダ州██████にて初の症例を確認。当日はクリスマス・イブであり、初の患者であるmike martin(マイク・マーティン)も例に漏れず家族や親戚とのクリスマスのパーティに興じていた最中だった。彼は例年通り、既にルーティン化されたクリスマスを過ごしていたが、その日だけは違った。雪の中に何かを見たという証言がある(*2)。それ以降、ディナーパーティで提供された七面鳥の丸焼きを視認した瞬間倒れ込み、激しい嘔吐を繰り返した。家族の通報によって彼は入院することになった。
【症状緩和に関する報告】
罹患者から「鶏肉」を48時間遠ざけることで症状が緩和される事が確認された。
現在、この症状に対する効果的な薬剤は存在しないことも併せて報告されている。
───────中略───────
尚、この症状で死亡した人数は██████人に及ぶ。
───────中略───────
【調査員によるインタビュー】
調査員a「それでは聴取を始めます。あなたの名前はマイク・マーティンで間違いないですか?」
マイク「ああ…。間違いないよ。」
調査員a「あなたは███病院に運び込まれた際、仕切りに『雪に何かがいる』と叫んでいましたが、詳しく教えてくれますか。(*2にについての質問)」
マイク「…雪はもう見たくない。こんなことになるなら、見るべきじゃなかった。」
調査員a「雪の中に何を見たのですか?」
マイク「あれは…化け物だったと思う。俺が今まで見てきたどんな動物とも似ても似つかない。何だったんだろうな、あれは。(*2について詳細は明らかになっていない。)」
調査員a「詳しくは分からないということですか?」
マイク「詳しく……(長い沈黙)俺はクリスマスが好きだ。ずっと、ガキの頃から…(長い沈黙)…俺はサンタ・クロースを見たんだ!!あの雪の中に居たんだ!!ガキの頃あんなに見たいと思っても見られなかったのに、あの夜、やっと会えた!!!知ってるか!?本物のサンタ・クロースの足はニワトリみたいなんだぜ!?あれを見て、あの姿を見て、俺は…」
(患者が興奮状態のためインタビューを一時中止)
調査員a「落ち着きましたか?マイクさん。」
マイク「………ああ。…取り乱してすまない。俺も、あの日の事を上手く飲み込めていないんだ… 。」
調査員a「いいえ、私も無理に思い出させてしまいました。少し脱線しますが、あれから体調はどうですか?」
マイク「…あの日からもう半年は経つかな。今でもあの日の夢を見るよ。いつも飛び起きるんだ。医者からは慢性的な不眠だと診断されちまった。見ろよこのクマ、俺は元々こんな顔つきじゃなかった。」
調査員a「吐き気や脱水症状は?」
マイク「ほとんど無いな。」
調査員a「そうですか…。快方に向かっているようでよかったです。病院での生活はどうですか?」
マイク「ゆっくりと時間が流れているように感じるよ。……そういえば、俺はしばらく肉を食べていないな。……まあ、なるべく食べない方がいい気がするから、特に困っていないんだが。」
調査員a「そうですか。……最後に、あなたはサンタ・クロースをどう思いますか?」
マイク「…?急にどうしたんだ。サンタクロース?クリスマスの?…まあ、ガキの頃はその姿を一目見てやろうと夜更かししたもんだが…遂にはその姿は見てやれなかったな。はは、子供ながらに悔しかった記憶があるよ。」
報告:罹患者には重度の記憶障害や情緒不安定な面が見られるため、脳の診察を強く推奨する。
【症例(新訂)】
───────中略───────
④脳への重大なダメージを残す。記憶障害や感情の起伏を異常なまでに高める効果が確認されている。
⑤サンタ・クロースの話題を出すと異常なまでの興味と興奮を覚える。罹患者に対してサンタ・クロースを含むクリスマスの話題を投げかけるのは医師により原則禁止されている。




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