小学生の頃、学校から帰る道中に、かつらが落ちていた。
長い黒髪で、頭頂部を上に向けて、雨上がりの湿った道路に落ちている。
気持ち悪い…
そう思いつつも珍しい落とし物に興味が沸いて、横を通る時に、つい凝視してしまった。
その時気付いた。かつらの周りだけ水溜まりが赤い。
血…?
そう思った時、かつらがザワっと音をたて、横に数センチ、ずるずる動いた。
驚いて、その後は家まで走り抜けて帰った。
次の日、その道にはかつらは落ちていなかった。
数十年経った今でもかつらは苦手だ。
髪の裏に、ダンゴムシの腹のような足が生えていて、それがゾワゾワと動くような、そんな想像をしてしまって。



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